リースバックは、家を売る手続きと、その家を借りる手続きが続けて起きます。売る話は説明されますが、借りる側になる話はあまり説明されません。ここでは後者の「借りる側」になるときの話を扱います。
昨日まで自分の家だったところに、今日から借主として住む。同じ家に同じように住んでいても、立場は変わります。持ち主のときには要らなかった手続きがいくつか出てきます。
家賃保証会社への加入は、ほぼ必須です
いまの賃貸では、家賃債務保証会社を使うことがほとんどです。連帯保証人を立てる方式は減っていて、保証会社の審査に通ることが契約の前提になっていることが多くあります。
そしてリースバックは、この審査で不利になりやすい形をしています。
元の持ち主がそのまま借主になること。家を売らなければならない事情があったこと。そして年齢です。保証会社から見ると、いずれも通常の入居申込とは違って見えます。
黙っていても始まらないので先に書きます。通らない可能性は、決して低くありません。
ただし、道はあります
リースバックを想定した専用のプランを用意している保証会社があります。通常の商品では通らない条件でも、こちらなら引き受けられることがあります。
当サイトの運営者も、こうしたプランを持つ会社を確保したうえで買主として動いています。しかし「必ず通る」という意味ではありません。審査は個別に行われます。ただ、最初から門前払いになる話ではないということです。
保証会社を使わない場合
それでも保証会社の利用が難しい場合、敷金を厚めに入れる形で調整することがあります。家賃の3か月分が用意できると話が進めやすくなります。
保証会社が担っているのは、家賃が入らなくなったときや、退去時に荷物が残ったときの穴埋めです。その機能を敷金で代えるという考え方なので、金額もそのくらいになります。
売却代金の一部を敷金に回す形になるため、手元に残る現金はその分減ります。判定ツールの計算には敷金を含めていないので、この可能性がある場合は、出た金額から差し引いて考えてください。
保証料は、通常の賃貸より高くなります
保証会社を使う場合、保証料がかかります。目安はこのくらいです。
| 通常の賃貸 | リースバック専用プラン | |
|---|---|---|
| 初回 | 2万円〜家賃の半月分程度 | おおよそ2倍 |
| 更新(年) | 1万円〜1.5万円程度 | おおよそ2倍 |
専用プランは通常より割高です。上に書いた審査上の見え方が、そのまま料率に出ます。
当サイトの判定ツールでも、この差を計算に入れています。
| 案 | 家賃債務保証料(年) |
|---|---|
| 通常の売却+転居 | 1.5万円 |
| リースバック | 2.7万円 |
金額そのものは物件と保証会社によって変わります。差が付くという事実のほうを見てください。
火災保険は、持ち主のときとは別のものに入ります
持ち主のときに入っていた火災保険は、建物にかける保険です。家を売った時点で、その建物はもう自分のものではありません。
借主として入るのは、次の2つを含む保険です。
- 家財保険 — 自分の家具や家電が、火事や水漏れで駄目になったときのもの
- 借家人賠償責任保険 — 自分の不注意で建物を壊してしまったときに、大家に対して負う賠償のためのもの
大事なのは2つ目です。 借りている建物を自分の火の不始末で焼いてしまった場合、その賠償責任は借主が負います。持ち主のときは自分の建物なので自分の火災保険で済んでいた話が、立場が変わると賠償の問題になります。
自分のものではない建物に住むことのリスクを引き受けるための保険、と考えると分かりやすいと思います。賃貸契約ではこの保険への加入が条件になっていることがほとんどです。年間1万円前後が目安で、判定ツールの計算にも入っています。
借主になると変わること、変わらないこと
| 持ち主のとき | 借主になったあと | |
|---|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | 払う | 払わない |
| 建物の火災保険 | 自分でかける | 大家がかける |
| 家財保険・借家人賠償 | 任意 | ほぼ必須 |
| 家賃債務保証料 | なし | かかる |
| 大きな修繕 | 自分の判断と負担 | 契約書による |
固定資産税を払わなくてよくなるのは、はっきりした変化です。一方で保証料と保険が新しく発生します。判定ツールの「毎月の支払い」には、これらをすべて含めた金額が出ます。
いちばん下の行だけ性格が違います。修繕をどちらが負担するかは法律で決まっているのではなく、契約書の書き方で決まります。これは契約書でここだけは確認すべき項目で扱っています。
買う側から見た、審査と保険
ここからは買う側の話です。私は大家として築古の戸建を買い、そのまま貸しています。
借主の負担が少ない会社から順に保証審査に出します
保証会社は複数ありますが、リースバック専用プランのある会社は保証料が割高なので、そこにいきなり審査に出すことはしません。
借主の負担が少ない会社から順に審査に出して、通ればそこで決めます。通らなければ、最後に専用プランのある会社で申し込みます。
専用プランのある会社は、ネットで調べたり、友人から聞いたりして見つけました。条件としては、やはり保証料が通常より割高です。
リースバックでは、通らないことのほうが普通です
はっきり書きますが、リースバックの場合、家賃保証会社に通らないことの方が多いです。
理由はその方の個人的な事情なので私には分かりませんが、一般論として言えば、信用情報に何らかのまずい記録があるためだと思われます。家を売らなければならない事情があった以上、そうなっていることは想像できます。
私が扱った案件でも、複数の会社で通りませんでした。ですが最終的に専用プランのある会社で何とか通っています。
通らなかったときのために、敷金を預かります
そのため契約の前に、「家賃保証会社は必須、それが駄目なら敷金3か月」という条件を売主さんにお示しして、理解いただいたうえで進めています。
将来の家賃滞納や、退去時に荷物が残された場合に備えるためです。貸す側にとってはそれが唯一の担保になります。
上の案件では複数社に通らず敷金を預かっていましたが、最後の会社で通ったので、預かっていた敷金はお返ししました。
敷金は必要がなくなれば戻すべきです。
火災保険(家財保険等)は不動産会社にお任せしています
火災保険(家財保険等)については、売買を仲介してもらった不動産会社にお任せしています。普通の賃貸でも一般的なやり方なので、ここは理解いただけています。
借主となる売主さんの側から見ても、自分のものではない建物に住むリスクを引き受けることになります。それを避けるための保険なので、必要性は納得いただけていると思います。
「家賃保証会社の審査が不安」だと思われる方へ
よほどのことがなければ、通りやすい保証会社があります。それでも駄目なら、多少の初期負担にはなりますが、敷金3か月程度であれば買主からもOKが出ると思います。
ここまでの費用は、判定ツールの「毎月の支払い」にすべて含めた形で出ます。いま住んでいる状態と比べてどう変わるかを確かめてください。氏名も電話番号も入力しません。
計算結果は概算です。実際の家賃と契約条件は、建物の状態と土地の条件を見ないと出ません。査定は、提携している株式会社アール(宅地建物取引業者 岐阜県知事(4)第4590号)にご相談いただけます。